thewarpedradio

Thanx 4 All The Shoes

Celebrating Falsity (2010)
NOFXのアルバムからバンド名をとっているだろうと思われるイタリア出身の彼らの1st Album。しかし音までNOFXから、という訳ではなくむしろ近代メロディックにかなりの影響を受けており、初期Belvedereなどの系統を色濃く受け継ぐバンドである。前作のEPより多少難解なアレンジにはなっているが、良い意味でメタリックなリフであったり複雑怪奇すぎばプログレッシブ的なアレンジはあまりなく、Hardcoreの影響を強く感じさせるほどに楽曲の重さが増している。この速く、そして重いアレンジにハイトーンのボーカルが乗っかってくるのが彼らの最大の特徴であろう。また曲の要所要所にスクリームを入れてくる辺りは00年代後半のバンドであることをより強く印象付けてくれる。あまりヨーロッパ、特にイタリアのバンド特有のemoっぽさを含んだ明るく乾いたメロディの要素は皆無でありもちろんヨーロッパの要素も含んでいるが、90年代のケベックなどのバンドのメロディに近いものを感じることができ、その点は懐かしさすら感じさせるバンドである。歌っているメロディとは言い難い部分もあるが、メロディアスであり高速で飛ばしているが故にメロディとハイトーンの声質が生きてくる良作である。全11曲。
☆☆☆★★ Face The Facts / Merciless / Celebrating Falsity
Home Is Where Bombs Rain / I Saw / Death As Business
Taste The Hell / Better Than Hollywood
Melodic Hardcore From The Tracks "The Greater Distance"
Another Ride (2017)
前作リリース後に待望の来日も果たした彼らの3rd。バンド初期は王道の近代的Melodic Hardcoreから始まったバンドではありつつも作品を重ねるごとにメタルの要素が強くなってきた彼らではあったが、今作ではその前作でも見せていたメタリック化がより顕著になっており、Thrash Metalの要素がかなり強くなってきている。メタル的なテクニカルなリフを重視しつつも、Hardcoreの重さや速さを取り入れたサウンドは非常に近代的で洗練されたごちゃ混ぜ感があるが、その分メロディを犠牲にしている感ようにも感じられる。ハイトーンのボーカルは独特であり、それが彼らの特徴であったためその要素が薄れていっているのは残念でもある。しかしそれは逆に言えば10s以降の王道になりつつもあり、そういった意味では彼らが影響を受けたサウンドをそのまま続けるのではなく、その都度の時流と自らのサウンドをうまくブレンドしている作品とも言えるだろう。ただしテクニカルになっていても1曲あたりは比較的短い曲も多いため、作品全体としてはスッキリとまとまっている作品である。全10曲。
☆☆☆★★★ Another Ride / Son Of The Gun / Hope And Wait / Decade
42042 / Wasted Life
Melodic Hardcore X-State Ride "Against Me"