Thousand Oaks
Monsters Begetting Monsters (2016) | |
Jet Market解散後にDead Market名義で活動を続けていたAlexが再びJet Marketのメンバーと共にシーンに戻ってきてドロップした1st。メタリックではあるものの叙情的なメロディや展開はそのままであり、キャリアを重ねたことにより計算された勢いに満ちた作品と言えるだろう。1曲目から高速で駆け抜けていきつつもより今まで以上にメロディに磨きがかかり、叙情感だけでなく時にはシャウト気味になったりと哀愁だけでなくJet Marketの初期のような力強さすら感じさせる。しかし楽曲の構成自体は決してシンプルではなく、緩急などを駆使しつつも同じメンバーで制作されたJet Marketの後期と比較するとよりテクニカルさは増して、プログレッシブにギターなどを構築するという非常に近代的なアプローチをしているが、その中でもメロディも全面に押し出している印象を受け、コーラスも多彩というよりも分厚くなっている。しかしAlex節はそのままであり、良質のMelodic Hardcoreが詰まっている作品である。全14曲。 | |
☆☆☆★★★ | Sow The Wind... / Being The Chain Breaker I Know Now Why You Cry / You Can't Fight Fate Poison Coated Empty Jar / Monsters Begetting Monsters |
Melodic Hardcore | From The Tracks "This Machicne And Eye" |
memories & milestones (2017) | |
レーベルにとっても初のスプリット作品、デジパック仕様という形になったToo Close To Seeとのスプリット。コンスタントにリリースを続けている彼らであり、中心人物のAlexが作り出すサウンドは作品を重ねても方向性は一切ブレずに、今作でも最早Alex節と言っても良いよいい意味で何も変わらないMelodic Hardcoreのお手本とも言えるような楽曲が収録されている。ドラムボーカルでありながらも息継ぎもないような高速Melodicの上を極上の、そして今作では少しポップよりのメロディが終始鳴っており、そこは年月がたっても変わらない良さが詰め込まれている。しかしそれだけではなく近代的な要素を取り入れつつもテクニカルな要素は今作では控えめで、その代わりにシンプルに音の厚さでの足し引きでのバンドとしてのアレンジ、アンサンブルが強調されているかのような楽曲が並んでおり、正直5曲では物足りなさを感じてしまいTCTS側も含めて何度もリピートしたくなるような作品である。全5曲。 | |
☆☆☆★★★ | Procrastinate / Firefiles And Firestorms Crocked Smiles Venturing Through A Scary World The Charade Of The Guilt Innocents |
Melodic Hardcore | Too Close To See "memories & milestones" |
Antipodes (2018) | |
前作のToo Close To Seeとのスプリットに続き、またもや新曲をフィンランドのOne Hidden Frameとのスプリットで発売した彼らであるが、00s後半以降のMelodic Hardcoreを牽引し続けているAlex節が今作でも全開であり、いつもと変わらないサウンドが詰まっている。ドラムボーカルであるが故にメロディがあるところではドラムの手数は抑え気味でボーカルに集中している部分はあるが、それ以外のところではバスドラを多く踏みつつも非常に手数の多いドラムが心地よく、そこに派手さは今作では少し抑え気味であるもののテクニカルなリフが絡み、緩急など起伏に飛んだアレンジが印象的であり、作品を重ねるごとにメロディを重視した路線へと進み始めていると言えるだろう。また前作でもその傾向はあったが、バンド全体のアンサンブルに重点を置いている方向性へと少しずつシフトチェンジしているように感じられ、特に今作ではベースが低音を支えつつもギターと同じリフを鳴らしている部分もあったりなどその存在感が際立っている。全2曲。 | |
☆☆☆★★ | Echoes Of A Dreadful Past / Born To Play War |
Melodic Hardcore | One Hidden Frame "Antipodes" |