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Toh Kay

You By Me: Vol.1 (2010)
MU330のDan Patthastと、Streetlight ManifestoのThomas Kalnokyによるスプリットアルバム。ちなみに名義はTohKayとなっている。DanP同様、TohKayはMU330の曲をカバーしているが、正直原曲を上回る出来になっている。彼独特の早口のメロディはもちろんなりを潜めているが、単にAcousticでのカバーではなく、女性ボーカルを押し出して大胆にアレンジをしている曲もあり彼の音楽センスが最大限に爆発している。それぞれの曲の良さ、持ち味を生かしながらも、緩急をつけており1枚を通じて決して飽きる事のない作品である。暖かな日差しの中で、ゆっくりと落ち着いた気分で聞きたくなるような作品であり、そういった意味ではStreetlight Manifestoとは対極的な位置にあるが、これはこれでカッコ良いと思える。Vol.1とあるからにはシリーズ化になるのだろう。SMの新作を優先しつつも、期待していきたいシリーズである。全5曲。
☆☆☆☆ I've Set Sail / Downtown / I Went It / Got Through Another One
Acoustic Team Chocolate "Team Chocolate"
We Will Fall Together (2010)
Catch22/Streetlight MenifestoのボーカルであるTomasのスプリットに続くソロ名義としては初となるシングル。A面はアルバムにも収録されており、ミックスもおそらくはアルバムと同じであると思われるが、印象としてはアルバムよりももっと静かにささやかに歌い上げているように感じる。ギター1本とボーカルだけで完全にアンプラグドなサウンドであるが、最後までしっとりと優しく歌い上げつつも後半に行くに従ってより一層穏やかな優しさの中に隠れた躍動感を感じることができるだろう。B面はBad Religionのカバーであり、こちらもアンプラグドであることには変わりないが、こちらは彼特有の音数の多さによって原曲の疾走感を残して優しさの中に激しさも感じさせる。曲数は少ないながらも彼の持ち味を存分に味わえる作品である。全2曲。
☆☆☆★★★ We Will Fall Together / Hooray For Me
Acoustic ------------------------------
Streetlight Lullabies (2011)
Soloとしての1stAlbum。しかし今作も前作同様SMのセルフカバーである。バンドサウンドであった曲を基本的にはギターと歌だけで再構築しており、更には全てを自分一人で録音しているため、そういう意味でも本当のソロ作品と言っても良いだろう。こういった一つの楽曲に対しての再構築系のプロジェクトはBOTARにも繋がってくるため、非常に興味深い。恐らく彼の中で楽曲毎に様々な到着点が見えているのだろう。楽曲の選曲は半分が3rdからとなっているが、どのアルバムからも選ばれている。アレンジ自体はあまり大きくいじっていないが、後半はアコースティックならではのアレンジを取り入れている曲が増えてくる。⑥曲目は若干フラメンコの要素を感じさせるイントロへと質感を変えているが、その後は比較的原曲に忠実であり、様々な表情を穏やかな雰囲気の中でも感じさせてくれる。また今作では単にアコースティックにしたというだけでなく、歌を囁くように歌っていることによってより生々しさを感じさせてくれることが最大の特徴である。原曲との細かい違いを指摘していくときりがないが、曲の良さと彼のアーティストとしての才能にあふれた作品であることには間違いない。全10曲。
☆☆☆☆★★ Watch it Crash / Somewhere In The Between
We Will Fall Together / Dear Sergio / Would You Be Impressed? / Sick And Sad / A Moment Of Silence
A Better Place, A Better Time
Acoustic Russ Rankin "American Amnesia"
You By Me Vol.2 (2014)
フォークシンガーとしてソロでも活躍し、The MuldoonsのボーカルでもあるSycamore Smithとのスプリットシリーズの第2弾。前作と同様にお互いの楽曲をカバーし合うという形で構成されたスプリットであるが、カバーであるが故にこれまでの彼による楽曲とは異なる雰囲気を見せている。1曲目は彼にしては珍しくアップテンポのボサノバ調にアレンジされており、温かみのあるふくよかなベースがメロディに混ざり合うことにより力強さと優しさに満ちたアレンジになっている。2曲目はその一方でどっしりと構えた彼が得意とするような雰囲気を帯びているが、メロディの音数が少ない分をギターで埋めるかのようにギターだけでなくマンドリンなども駆使して様々なリフを多層的に構築することにより、後半に進むにつれてアコースティックながらも躍動感を感じられる。3曲目は音数も単語数も少なく、しっとりと優しくささやくかのように歌い上げつつも、メロディの裏でカウンターのように鳴り続けているアルペジオが印象的であり、カバーでありながらも彼の良さが最大限い発揮された作品である。全3曲。
☆☆☆★★★ Shantantitty Town / The Man With The Skeleton Arms
Hokum All Ye Faithful
Acoustic Sycamore Smith "You By Me Vol.2"