thewarpedradio

BIGMAMA

Short Films (2006)
八王子出身のBIGMAMAの1stEP。昔、彼らの結成当初に八王子のライブハウスで対バンをしたことがあるが、その当時から比べたら格段の成長を遂げたと言ってもいいだろう。どうしても彼らを語る時にバイオリンに言及をせざるを得ないが、それ以上に彼らの最大の特徴は透明感のあるメロディと声質であろう。感情の振れ幅を声質を使い分けることによって疾走感のあるアレンジとともに、聞く側の感情に訴えてくるものがある。シンプルながらも疾走感を全面に出した曲は未だにライブでも演る曲もあり、そのことからもこの時点での完成度を推し量ることができるだろう。もちろんまだまだ荒削りであり、バイオリンを前に出すためにベースが隠れてしまい音の強さには物足りなさは正直ある。また、個人的なことを言えばスローテンポの曲は彼らの作り出すメロディをまだ生かし切れていないような気がしてしまう。しかし歌詞の面で1曲1曲がそれぞれ独立した物語を紡いでいるバンドであり、彼らの独自性が既にこの作品の段階で随所に感じられる作品である。全7曲。
☆☆☆★★ Look At Me / CPX / Little Cloud / We Have No Doubt
Melodic Punk for better, for worse "Heartstrings"

Weekly Fairy Tale (2008)
1stAlbumを経て発売された彼ら初のコンセプトシングル。元々それぞれの楽曲自体が一つ一つの独立した物語を描いていた彼ららしく、狙いは完全に成功しているのではないだろうか。それぞれの物語を歌詞だけでなくメロディやアレンジでも表現しており、その中にセンスを感じることができるだろう。またアルバムを経てサウンド的にも荒削りさがとれてダイナミックさが増している。各パートは大きく成長しておりリズム隊も安定しているが、その分昔彼らが持っていた良い意味で疾走感にあふれていながらもどこか脆さを抱えていた音の危うさが消えてしまった気がしてならない。もちろんこれが彼らの成長の証であり、それが完全な形としてはどのような形になっているのかは今後の作品が語ることにはなるだろうが、今作が大きく成長する上での過程上の作品であることを願いたい。全4曲。
☆☆★ Cinderella ~計算高いシンデレラ~
Sleeping Beauty ~二度寝をする眠れる美女~
Pop Punk ------------------------------

Dowsing For The Future (2008)
前作より約1年で発売され非常に精力的且つ意欲的に活動している彼らが放った2ndAlbum。メンバー自身が現時点で最高傑作と言っている言葉に嘘や偽りはなく、前作を遥かに凌駕した素晴らしい作品となっている。メンバーそれぞれが自分達の音を強く認識しつつも個々の個性を打ち出しつつも、今まではバイオリンという枠にある種囚われていたものが今作ではなくなり、自由に制作されている。バイオリンがなくとも、一聴するだけでは気付かないほどに楽曲は練り上げられており、アレンジもダイナミックかつ非常にドラマティックになっている。これまでは歌詞の中で物語を紡いでいることが彼らの一つの特徴であったが、それが今作では楽曲だけでそれを感じられるようになった。また、今作は前作よりもボーカルが力強くなりつつもかなり繊細な印象を受ける。これが初挑戦となる日本語の歌詞でも、その繊細さとそれを引き出すメロディにより全く違和感なく感じられ、むしろこのような形の方が彼らの持ち味をより鮮明に打ち出せるのではないかとすら感じさせる作品となっている。全ての面において前作を上回っており、次作以降も自然と期待せざるを得ない程に現段階で完成された世界観を持った作品であると言えよう。全11曲。
☆☆☆☆★ Paper-craft / Gum Eraser / The Game Is Over / MISSION 481
make a bamboo / My Greatest Treasure / just a tool
Dowsing For The Future
Melodic Punk Yellowcard "One For The Kids"

ダイヤモンドリング (2009)
前作から間髪入れずに出された、皆既日食をテーマにした2曲入りシングル。基本的には前作のアルバムからの延長線上にある作品ではあるが、彼らの場合はシングルでは冒険・新しい世界観を試してくる傾向があり、それは今作でも変わらない。今まで彼らが持っていた疾走感が表題曲ではなくなりどちらかというとじっくりと聞かせるタイプである。相変わらず繊細かつ力強いボーカルは聞いていて心地良いが、かなりPop感が満載であり若干聞いていて違和感を感じてしまう。歌詞は独特の視点で描かれており、バイオリンもかなり前面に出てきているが、個人的には英詩にしろ日本詩にしろここまでPopな感じであると彼らの持ち味が完全に埋没していると感じられてしまう。次作のアルバムの最後に収録されるらしいが、その中でどのような意味を今楽曲が持っているのかは楽しみである。全2曲。
☆☆ ダイヤモンドリング(2032/09/03)
Pop Punk ------------------------------

Roclassic (2010)
タイトル通りロックとクラシックの融合というコンセプトで製作された作品。単にクラシックのカバーという訳ではなく、それぞれの曲のフレーズをモチーフにしてそれをもとに新たな曲を作り上げるという、コンセプト自体はありふれているが、ありそうでなかった作品と言えるであろう。制作段階でキーなど制約が多くあったと思われるが、メロディから全てを自分たちなりに全てを再構築している。メンバーチェンジ後、バンドとしての一体感を持ちながらもそれぞれのプレイヤーが良い意味で自己主張をしている楽曲が目立つが、今作でもそれは顕著である。完全にアイデア勝ちとも言えなくもないが、誰もが聞いたことがある曲を上手く楽曲の中で使っている故、今作では彼らの音楽への導入部、敷居を下げて門戸を広げる働きをも担っているとも言えるのではないだろうか。この作品自体をどのように消化して、次にどのような作品を示してくれるのか。今後の彼らにとって今作はターニングポイントとでも言える様な作品になると思われ、非常に次作以降への期待感を持たせてくれる作品である。ただおそらくこの方向性へとシフトしていくのだろうが、個人的には全ての楽曲が日本語であるのが残念である。全8曲。
☆☆☆★ 走れエロス / 虹を食べたアイリス / 英雄を抱いてマリアは眠る
荒狂曲"シンセカイ"
Pop Punk Steller Kart "All Gas, No Break"

I'm Standing On The Scaffold (2010)
クラシックをコンセプトにした前作とからほとんど間を空けずに、通販限定でリリースされた彼ら初のクリスマスシングル。比較的スローテンポの楽曲のタイトル曲は今までとは少し異なる彼らの表情を前面に押し出している様な印象を受ける。ベースが前面に出てきており、それがバイオリンやピアノと相まって、音だけで情景を描かせる様なそんな雰囲気をまとっている様な楽曲である。絞首台に向かう男が最後に思い描く、最後の後悔・絶望を描きつつも最後には希望を何処か求めてしまう、そんな情景を明確に感じる事が出来る楽曲であり、彼らの世界観を十分に堪能できる1枚である。イントロの凝り方も良くも悪くも雰囲気が出て来ている。カップリングには彼らのシングルの恒例であるカバーが収録されており、今回はクリスマスイブ。1曲目が重い世界観に対して、こちらは原曲のイメージを壊さずに明るいままであるために、此処まで来てようやく救いを感じる事が出来る、そんなまとまりのある1枚である。全2曲。
☆☆★ I'm Standing On The Scaffold / クリスマスイブ
Rock ------------------------------

秘密とルーシー (2011)
2011年最初のリリース。彼らにしては珍しく両A面シングルで、カバー曲ではなくどちらもオリジナル曲で勝負している。今までの彼らは、楽曲の良さはもちろんあったが、どちらかと言うと歌詞で描き出す世界観や、Roclassickに代表される様なある意味アイデア勝負な部分もあったように思う。しかし今作ではそう言った様々な制約を完全に取り払い、自然体に自由に制作された様なのびのびとした作品である。最近は若干鳴りを潜めていたバイオリンをかなり前面に出して、その反面ベースは若干大人しくなっている。しかし制約がない分、元来彼ら最初の武器であったバイオリンを再び大々的に取り入れることにより、初期の彼らが持っていた衝動とまでは言わないが、勢いがここにきて全体からにじみ出ている。かと言って昔と同じ地点に留まっている訳ではなく、今までの彼らを包括した上での今作になっている様に感じる。制約がなく、自らの武器を再認識し、自然体に自らを解放した、ある種開き直った様な彼らの今後はとても楽しみである。全2曲。
☆☆☆★★ 秘密 / Lucy
Pop Punk ------------------------------

#Div/0 (2010)
前作から早2ヶ月でリリースされた6thシングル。今作も最近の彼らの延長線上の作品であり、前作同様に比較的彼ららしさが詰まったいる作品である。カウントダウンを伴う歌詞や、ギターやバイオリンのアレンジによる息をつかせぬ様な、どこか聞いている人を後ろから書きたてる様なスリリングな展開は彼ら独特の、彼らにしか出来ないものである。アレンジ自体は比較的シンプルながらも、常に世界観は同じものを作り出せるのは彼らの長所であり、彼らの強みの一つであると個人的には思う。今作も歌詞は日本語であるが、彼らは言語に関係なくメロディと共に言葉で紡ぐ物語をリスナー側に届けてくれる。もちろん英語と日本語では音の響きは全く違うが、聞こえ方が彼らの場合ほとんど同じであるかのように感じる。それが彼らの世界観が統一されている・整合性のある所以ではないだろうか。しかもその統一された世界を徐々に広げつつあるのが、彼らが常に支持される要因であるように思う。しかしわがままである事は十分承知だが個人的には英詩の方が彼らのメロディには上手く乗るのではないかとも思う面もあり、その点は今後に期待したい。全2曲。
☆☆☆★ #Div/0 / Ghostwriter
Pop Punk ------------------------------

君がまたブラウスのボタンを留めるまで (2012)
快調なペースでリリースを重ねる4thAlbum。作品を重ねるごとに全体の方向性がよりPOPにわかりやすい方向に向かっているが、今作もその方向性は変わっていない。バイオリンの有無に関係なく、楽曲の幅は大きく、タイトル曲はミディアムテンポの壮大な曲である。過去の曲の再録や、バラードと共に2ビートの曲ももちろんあるが、全体の印象がその方向性であるというだけである。音楽性が多岐にわたりつつある故に、そのように感じるのであろう。一つ一つは個性的であるが、1枚の中での統一感は図られている。しかし初期のころの面影はなく、またこれまでとは毛色が異なっているため正直好き嫌いは分かれるかもしれない。個人的には前から言っているように日本語にシフトしつつあることが、彼らの魅力を減少させていると感じる。日本語を否定するのではなく、むしろ共存すべきであり、要はバランスの問題である。最後がある意味ユーモアにあふれた曲で終わるところは良い意味での物足りなさを感じさせ、もう一度聞きたくなる、もしくは未来へと次の作品への繋がる終わり方のように感じられるのは気のせいだろうか。全12曲。
☆☆☆★ #Div/0 / until the blouse is buttoned up / 荒狂曲”シンセカイ”
Zoo at 2 a.m. / "Thank You" is "FUck You" / 週末思想 / 秘密
Pop Punk The Ataris "End Is Forever"

風船夫婦の俯瞰show (2012)
前作のTourFinalで初披露された新曲を含む7thシングル。インディーズにしては珍しくタイアップを前面に押し出した1曲目は、ここ最近の彼らの王道に乗った疾走感に満ちた曲である。エフェクト音を炭酸の音を加工したものを使っている分、それが良い意味で高揚感や軽さを演出している。またそれが楽曲に勢いと壮大さを生みだす結果となっており、タイアップがあるとはいえそれを上手く使いこなしていく表現力はより一層磨きがかかったと言えるだろう。また2曲目はFrenchPopの様な別のベクトルの軽さを出している。またアコギとバイオリンに加えて、効果音としてハンドクラップではなく指パッチンを使っているのも彼ららしい"仕掛け"である。最近の彼らはPopである事を軸としながらも音の枠をどんどん広げており、ある意味音に対しての変なこだわりがないのが彼らの強みとして出て来ているのではないだろうか。作品としてどのような形に今後なるのかが分からないからこそ、今後も楽しみなバンドである。全2曲。
☆☆☆ Mr. & Mrs. Balloon
Pop Punk ------------------------------

君想う、故に我在り (2013)
約1年4カ月ぶりとなる5thAlbum。今までのどのアルバムの延長線上にもなく、完全に新たなステージへ登りバンドとして変貌を遂げたと言ってもよい作品である。ここ最近の流れとしてどんどんロック、J-POPへと変わっていっていたが、もはや完全にPunkという括りで彼らを述べることはできないほどに今までとは別物である。最初はこの変化に驚く部分もあるがカテゴリーを外して考えると、非常に高クオリティなポップアルバムである。しかしこの変化はメロディによるものではなく、アレンジによるものが大きい。バイオリンではなくキーボードなど他の楽器を多用する曲は今までにもあったが、今作ではそれに加えてどのパートも全ての音が丸くなっている。ギターは歪んでいるがそこに重さは感じず、ベースもボトムをしっかりと支えているがとがった音ではない。楽曲自体の根本は変わっていないながらも、方向性だけではなくそういったアレンジやミックスなど全てが同じベクトルに向かっているように感じる。この音が丸くなったのは今作で歌われている「君」に対しての愛に満ち溢れた作品であるからかもしれない。そういった意味ではようやくBigmama(大きな母)になったと言えるのだろう。全12曲。
☆☆☆★★ 春は風のように / ファンデーション / RAINBOW / Not too late
auctioMania / ex-tra / ライフ・イズ・ミルフィーユ
Pop Punk グッドモーニングアメリカ "in トーキョーシティ"

alongside (2013)
聞く側に寄り添い、そして支え続けていきたいという、バンドとしての姿勢を明確にし決意表明とも解釈できる彼らの新作は、アルバムで見せた方向性を突き詰めた仕上がりになっている。表題曲は全体的には音が丸くなっており、Punkの攻撃性、荒々しさというものはもはや感じることはできず、荘厳な雰囲気で幕を開けながらもギターやバイオリンのアレンジなど曲全体が聞く側を包み込みかの様な優しさを持った曲である。しかしイントロにおけるギターのカッティングに関して、ある名曲を連想するのは自分だけだろうか。またカップリングの曲は1stMiniの冒頭を飾った曲の再録であり、元々のアレンジに基本的には忠実ながらもメンバーが変わったベースとバイオリンの新しいアレンジは新鮮さがあり、オリジナルバージョン比較しても甲乙付け難い出来になっている。全2曲。
☆☆☆ alongside / Look At Me
Pop Punk ------------------------------

Sweet Dreams (2014)
明らかにバンドとして一つの分岐点を超えて、新たな方向へと進みだしているだろう彼らの10thシングル。音の方向性が前作のアルバムを経てから明確に変化していることもあるが、それ以上に歌詞の世界観がここ数作で大きく変化している。元々独特の地点、立ち位置でシニカルに物事を捉えた世界観を作り出していたが、そこにリスナーというファクターを明確に打ち出したことがアルバム以降の最大の特徴であろう。特に壮大な雰囲気を構築しつつも彼ら独自の世界観はそのままであり、バンドとして次のステップへと向かっていることを著実に表しているタイトル曲は代表曲として今後も歌い続けられていくであろう。そして2曲目はある意味最近の彼らの王道とも言えるアップテンポの曲であり、久々に収録されたカバー曲も原曲を生かしつつも彼ららしくアレンジし直されており、バンドとしての魅力を全方位的に網羅した作品へと仕上がっている。ただタイトル曲のイントロはまたあるバンドの楽曲を連想してしまう。全4曲。
☆☆☆★ Sweet Dreams / Theater Of Mind
Rock ------------------------------

ワンダーラスト (2014)
東海地方限定で発売された11thシングル。疾走感溢れるサウンドの上をポップで分かりやすいメロディとバイオリンなどの上物が駆け抜けていく様は彼らお得意のキラーチューンではあるが、決してありきたりではなく、むしろ斬新な手法を取っている。疾走感満載でありながらもドラムが打ち込みであるのは新鮮である。しかしそんな中でも決して勢いを失わずに楽曲を構成しているのは確実に彼ら独特のセンスのたまものであり、流行に若干乗った感のある4つ打ちのドラムのリズムも打ち込みの正確性があるからこそそれ以外のサウンドが生きていると言えるのではないだろうか。キャッチーなメロディ共にこれぞBIGMAMAと言えるような1曲に仕上がっている。また2,4曲目はこのシングルのリリースのきっかけとなったラジオ番組風にトークを盛り込み、3,5曲目は東海地方で行われたライブ音源となっている。全5曲。
☆☆☆★★ ワンダーラスト
Melodic Punk ------------------------------

BESTMAMA (2017)
2017年10月の武道館に向けて発売されたBEST。楽曲が発売された順ではなく、制作された順に並んでいるところは面白いところではあるが、再録やリマスターをしているわけではないため今までの作品を聞いてきている人にとっては何か新しさを楽曲に見出すことはできない。ただ全体を通してはBIGMAMAというバンドがいかに一つの場所に留まることを良しとせずに変化し続けてきたのか、その変遷の全てを見ることができる作品になっている。初期のまだMelodicPunkを中心にしていた頃から今につながるようなスケール感やメロディを感じることができ、作品全体としては一つ一つの要素を10年間断続的に積み重ねてきた彼らの魅力を再確認できる形になっている。最後に収録されている新曲もサビは2ビートになっているが、ひねくれている彼ららしくサビ以外はミドルテンポであるなどベスト盤らしく、過去だけでなく彼らの今の姿も詰まっている。全40曲。
☆☆☆ ------------------------------
Pop Punk ------------------------------
Strawberry Feels (2018)
初の日本武道館公園で発表された、彼らの言葉を借りれば「引っ越し」という名でリリースされたメジャー1stシングル。これまでは作品ごとに新たな要素を次々と取り入れ、同じ位置に留まることを良しとしなかった彼らではあるが、今作は今までの彼らを総括し、差別化を図れる他とは異なる要素、得意技を中心に勝負してきた作品になっている。1曲目はポップなメロディとバイオリンが疾走感あふれるサウンドに乗っている初期からのお家芸に近い楽曲、3曲目は疾走感がありつつもクラシック的な要素を踏まえてマイナーコードで少し暗さや混沌とした世界観を描き出している楽曲となっているが、改めてこうして並べてみるとデジャブ感が正直大きい。金太郎飴的なサウンドを続けるバンドもありそれは一つの美学として存在するが、楽曲自体の完成度なのか、比較する以前の楽曲のクオリティが高いのかは個人の感覚によるものではあるが、サウンドはらしくはあるものの発想・アプローチがらしくない。しかし一方で2曲目は今までの彼らにはないシンプルの極みのような楽曲であり、これらを踏まえた次の一手がどのようになるのかに期待したい。全3曲。
☆☆☆★ Strawberry Feels / POPCORN STAR
Pop Punk ------------------------------
Foxtail (2018)
メジャー1stとなる8thAlbumのリリースツアー当日にサプライズ的に配信されたシングル。全体的な方向性はアルバムを踏襲していると言えるだろうが、メロディの構築方法に明らかに以前とは違う手法を取り入れていると言えるだろう。メインの金井のボーカルは元々高音域を中心としていて線の細さによる繊細さがよくも悪くも彼らの特徴であり、サビではその持ち味を全面に出しているが、そこに至るまでのプロセスにおいて従来コーラスや時折メインを担当していた柿沼の少し低音が強調された声質による歌声がメインとなるパートも多く、2人の両極端な声質が絶妙な入り交ざり方をしている。そして金井のボーカルも高音だけでなく低音も使い分けている。そういったメロディに対してのアプローチは以前までにはなかったものであり、2人の声質の違いを前面に出しつつも一つにまとめ上げているという点において、今後の試金石になりえる楽曲と言えるだろう。全1曲。
☆☆☆★ Foxtail
Pop Punk ------------------------------