thewarpedradio

for better, for worse

First Demo (2003)
当初のバンド名、ブタゴリラから改名して出された彼らの初音源。良くも悪くも今までに彼らが聞いてきたであろう音の影響をモロに受けている。しかしその中でも彼ららしいコーラスであったり、メロディの質感の中に何か他の日本のバンドとは一線を画すようなモノが見え隠れてしている。まだ洗練されているとは言い難いが、シンプルながらも独特なメロディはこの頃から健在である。演奏面ではまだ多少粗さなどが目立つ部分もあるが、独特で少し眺めのイントロが合ったりとアレンジ面でも楽しめる音源であり、バンド初期特有の衝動や青さが当時ボーカルであった幸一君の声質と相まってこの作品も彼らの歴史を語る上で欠かせないだろう。全4曲。
☆☆☆★ Can You Hear? / August 9 / I Can't Remain
From Bottom Of My Heart
Melodic Punk ------------------------------

2nd Demo (2003)
メンバーチェンジを経ての初めての音源。メンバー全員がボーカルを取れるという彼らの持ち味を最大限に生かした楽曲が収録されている。音も疾走感は今までと変わらずにあるものの、MelodicPunkっぽくありつつもより前作以上にemotionalになっており彼ら独自の音の方向性が自分たちの中で認識され、定まったかのように感じる。海外のEmotional Punkに影響されつつも、彼ら独自の音の湿り気などこれからの可能性を期待させてくれる作品。全2曲。
☆☆☆★ Never Forget Your Mind / In The Rain
Melodic Punk ------------------------------

heartstrings (2004)
結成から早数年を経てついに発売された正式な単独作品。普通初期衝動、そしてその中にある真っさらなパワーは作品を重ねる毎にいつしか失われてしまうものであるが、今作はそんなのをぶち壊すような力を持って作品である。それまでに出していたDemoをはるかに凌駕し、エネルギーに満ちあふれている。しかもそれでいて前作で認識したであろう自分たちの音というものを、突き詰めた作品になっている。何より、前作よりも速い曲ともに、今までとはどこか違った新しい面を見せてくれる曲も収録されているがそこには寄せ集め感は全くなく、ジャケットのように1枚全体で何かを表現しているような作品である。少しコーラスが弱い気もしなくもないけど、何かをこちらに訴えかけてくるメロディと声質。エモーショナルってこういうことなんだろうな、ってことを改めて認識させてくれる。しかも単にエモーショナル一辺倒でなくアレンジに幅があり、ゆとりがあるところも成長の表れだろう。多くの人の心に訴えかけられる作品であるため、収録曲が少ないことがかなり残念。全6曲。
☆☆☆☆★★ A Waning Moon / The Landscape Back To Us / Heartstings
In The Rain / Never Forget Your Mind
Melodic Punk No Use For A Name "Hard Rock Bottom"
When The 8th Spring Has Come... (2005)
彼らにとって区切りとなる2005年終わりに発売された盟友TOTALFATとのSplit。前作から1年以上の間があったが、その間に様々な変化なりが彼らにあったのだろう。それが十二分に発揮されている作品となっている。その変化の最たる所は、前作までのような疾走感溢れるような楽曲が減りより、メロディを生かすことを重視している様に感じられるところである。元々持っていたエモーショナルな部分により磨きをかけ突き詰めた感すら受ける。Voである金廣の透き通った声が十二分に生かされているメロディやアレンジ。派手さはないかもしれないけれども心に優しく染み込んで来るようであり、晩秋や冬に最適な楽曲であろう。そこに感じられるのは日本独自の哀愁感と言ってもいいかもしれない。今後また大きく変化していくのだろうが、彼ら独自の湿り気を帯びたメロディや哀愁感は決して失われることはないだろう。演奏面でも荒さが完全になくなり、1段上の世界へと成長したことがよく分かる。間違いなくこれまでの彼らの中で最高傑作であり、転換期となる作品であろう。なお、2曲目はStationary Frontのセルフカバーである。この作品に込められた彼らの思いに関してはここを参照。全3曲。
☆☆☆☆☆ I'm sorry, Thank You / Drop A Curtain With Kiss Scene
Love It More
Melodic Punk Acceptance "Phantoms"
Complete Best (2018)
グッドモーニングアメリカのベストと同時に発売された10年以上の時を経てまさかのメジャーリリースとなる、fbfw名義のベスト。今作はほぼリリース順で過去に戻っていく趣向であり、様々な変遷を経た彼らのサウンドの移り変わりを実感できるだろう。更には一部データが取り出せずに再録をしている部分もあるが、再録をした曲も当時の空気感はそのままであり、またレアレンジもされているわけではないので多少のこなれた感はあるものの一切の違和感を感じさせない。また元々Demoの段階でもCDRでのリリースであったために音質は元々悪くなかったが、今回マスタリングをし直している分オリジナルでは少し埋もれていたコーラスなど全体の音像がくっきりとしてより歌が前に出た形へと変わった印象を受け、オリジナルと聴き比べるのも面白いかもしない。今まで何度聞いたかわからないほど聴き込んだ楽曲・バンドではあるが、どの時代であっても今も昔も本質は変わっておらず最初から完成度が高かったことを改めて実感できる。またジャケットもSplitとの関連性を見出すこともでき、それだけでも胸熱である。(ただCompleteだけど少なくとも1曲は未発表楽曲あるよね)。全18曲。
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Melodic Punk ------------------------------