Choke
Needless To Say (1997) | |
高速B級メロディックの代表格である彼らの3rd。しかし単にB級と片付けてしまうには惜しい作品を常に連発しており、3枚目となる今作で早くも一定の完成の域に到達したと行っても良いだろう。メロディがポップである訳でも歌が特段うまいわけでもないが、若干鼻にかかったかのようなボーカルが矢継ぎ早に繰り出す畳み掛けるようなメロディは若干のっぺりとしており90s特有のものではあるが、それと合わせてメロディも楽器隊の一部であるかのような全体のバランスに優れた非常にまとまった作品である。また彼らは00s以降のテクニカルなMelodic Punkの先駆けと言ってもよく、メロディの裏で随所にテクニカルなリフを詰め込んでいるが、彼らならではの特徴として重さは全くと言っていいほどなく、DistortionではなくむしろOverdriveをメインに構築されている。その重さがない分はベースと無駄に手数が多いドラムが補っており、その結果としてテクニカルに疾走していくサウンドが非常に心地よく感じる。また軽やかに疾走していきつつも複雑な展開をしており、このバンド・作品が後世に与えた影響は決して小さくはないだろう。全13曲。 | |
☆☆☆★★★ | In Reach / This Side / Wasted / Turd Farmer / Doin Fine Six Inch Coiler On White / Bent On Profit / Nothing |
Fast Melodic Punk | Belvedere "'Twas Hell Said Former Child" |
There's A Story To This Moral (2002) | |
AdhesiveやAstream、Layaway Planとのスプリットを挟んでの5th。今作では今までの路線の延長線上に位置するのではなく、プラスαの要素が強く出ている。今まではテクニカルな要素を高速メロディックの中に散りばめている楽曲が多かったが、今作ではメロディが時代を反映してか少しemoさが増していることと共に、スピードを抑えてプログレ的な要素が全面に出ており複雑怪奇とまではいかないものの、一筋縄ではいかない難解な展開がより一層進化している。そういった部分ではより彼ら独特のしかしその一方で元々メロディセンスに優れているわけではなく、全体のバランス感覚に優れているバンドではあったため、スピード感がなくなったことによって野暮ったさが増している。もちろんメロディに勢いや荒々しさを感じる部分もあるが、全体的にはテクニカルな方向へ進みすぎているようにも感じてしまう作品でもある。全10曲。 | |
☆☆☆ | Concrete Timeline / Signing Off / Forgot To Learn / Record Stop The Hardest Things To See Are On Display |
Melodic Punk | Propagandhi "Supporting Caste" |
Slow Fade Or: How I Learned To Question Infinity (2004) | |
前作で大きく路線転換し、プログレ感が増した彼らのラスト作となる6th。今作でもその傾向は維持しておりそれをより深化させたかのようなエモーショナルさとテクニカルさに満ち溢れた作品となっている。メロディの質感がこれまでの力強く明るさや爽快感を感じさせるものから、少し粘り気が増してEmo要素が強くなりどこか陰りのあるものへと変化しているがこれが鼻にかかったボーカルにマッチしている。そしてこの暗さも感じさせるところはBrand Newの変化と同じくPost Hardcoreの香りも漂わせている。しかしBrand Newと異なるのはPost Hardcoreに完全に移行するのではなく、ギターの入れ方や音色も合わせてエモーショナルさを全面に出しつつもHardcore由来の力強さも少し残しているところである。初期の面影はもはやなくなっているがさりげない一瞬のメロディの質感や響きがまだ残っており、分数が長く少しダレやすい点は否めないが十分なクオリティを持つ作品である。全12曲。 | |
☆☆☆★ | Breathing Won't Come Easy / Trace Rewind / This Forced Hour For Good Reason / Miss This Distance / Momentary Relapse |
Melodic Punk | Brand New "Daisy" |