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Double Negative

When We're Gone (2016)
ワンマンバンドから2人体制のインターネットバンドとして新たなスタートを切った彼らの実質的な1st。それまでの音源はやりたいことはわかるが少しパッとしない楽曲が並んでいたが、今作では南アフリカ出身のドラムが加入したことが大きかったのか、大きく変化し成長した作品に仕上がっている。テクニカルな面はそこまで押し出しておらずに、青臭くも聞きやすいメロディと疾走感あるアレンジが中心となっているところは古き良き伝統を受け継いでいると言えるが、その一方で疾走感を失わないが様々なテンポの楽曲が並んでいたり、アレンジも重さとか軽やかさが共存しているところなどは非常に近代的な要素をも感じることができるだろう。またアレンジもさることながら、メロディが今作では非常に良くなっており、12曲目から16曲目がそれぞれが独立しつつも組曲的な要素も含んでおり、曲数が多くとも非常にバラエティに富んだ楽曲が並んでいるため最後まで飽きずに一気に聴ける作品である。全18曲。
☆☆☆☆★ Religitarded / Shit Life Syrdrome / Talking To The Camera
On A Windswept Hillside / For Ray Stevenson / Message
: \>Abort, Retry, Fail?(Part I) / Destined For The End(PartV)
:\>Fall(PartVI)
Fast Melodic Punk Setbacks "Oceans Apart"
The Day The Dark Won (2017)
メロスピの作品を連想させるような荘厳かつクサいイントロで幕を開ける2nd。前作でヘルプで叩いていたJuanがドラムとして正式加入したことによって、今作では豪華なゲスト陣と合わせて前作からわずか1年足らずという短いスパンではあるが方向性は同じながらも大きな成長を実感できる作品に仕上がっている。鼻にかかったボーカルによって歌われる少し垢抜けなさを感じさせるのっぺりとしたメロディも部分的には残っているが、軽快に駆け抜けていくような疾走感がキャッチーなメロディと絡み合うことで今までの彼らにはないような軽さを持った楽曲に仕上がっている3曲目や、ぐっとスピードを抑えてメロディを全面に出した7曲目など相変わらずのバラエティの豊富さである。またインターネットバンドであるがゆえの特性を生かしたAdhesiveのGeirとMathias、SetbacksのAaronなどの多彩なゲストボーカルも聞き所の一つであるが、決して散漫になっていないところは楽曲の魅力にあふれているからであろう。全15曲。
☆☆☆☆★ Alien / Card Puncher / The Berenstein Shift / Exhausted
The Day The Day Won / Madness Of Two / Teardrops For You
Fast Melodic Punk Hack The Mainframe "Disorders Of Consciousness"
The Day The Dark Won (2018)
Milestone Soundsからリリースされた2ndの日本盤。元々の作品も十分なボリューム感であったが、更に5曲をボーナストラックとして追加してより一層のボリュームとなっている。1曲目は重さではなく軽やかな疾走感を感じさせつつも強く哀愁感を漂わせており、NUFANを彷彿とさせるような雰囲気を帯びている。2曲目は彼らにしては珍しくミドルテンポでシンプルに歌い上げ、その流れでアルバム本編でも後半の重要な場所に位置していた楽曲のアコースティックバージョンであり、純粋なメロディの良さを感じられる。そして4曲目では一気に再び加速しつつも、途中で一気にスピードを落とすことによりその速さを緩急を用いて効果的に生かしているなど、ボーナストラックではありながらも、彼らの良さが最大限に発揮された楽曲が揃っている。全20曲。
☆☆☆★★★ Just In Words / In The Next Room / Ocean Song
Fast Melodic Punk Double Negative "The Day The Dark Won"