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Relient K

Relient K (2000)
クリスチャンパンクの代表格、Relient KのDemoやEPを経てのセルフタイトルでの実質の1st。1,3,11曲目はDemoに収録されていたものの再録であり、4,6曲目もDemoに収録されていたがこちらはタイトルが改められている。しかし本作の半分ほどがDemoからの再録であることは、既に活動当初の段階から彼らのサウンドが確立されていたことの証明であろう。1曲目のイントロこそ同じくクリスチャンパンクのMxPxを彷彿とさせ、2曲目のイントロや3曲目の展開などではどことなくクリスチャン感を漂わせている部分も多いがあまりその要素は強くなく、基本的には力強くも少し甘酸っぱく青さを浴びたポップなメロディが作品の中心にあると言えるだろう。メロディだけに特化してみればThe Beach Boysなども彷彿とさせるような甘さや青臭さが漂い、きれいなコーラスも完璧である。Pop Punkの爽快な疾走感はもちろんではあるが、それ以上に彼らの最大の持ち味はエモーショナルなメロディを支えるリズムがシンプルなようで非常に多様で変化球的なものも多用していることと、前のめりではない勢いの中でキーボードが効果的に使われているところであろう。変に小難しいことにはならず、メロディを中心に置いて決して主張しすぎていない楽曲はいつ聞いても色褪せることのない瑞々しさに溢れている。全14曲。
☆☆☆★★ Hello McFly / My Girlfriend / Benediction / When You're Around
Staples / 17 Magazine / Everything Will Be / K Car
Pop Punk Save Your Breath "Vices"
Mmhmm (2004)
2004年に発売された4th Album。今作は前作まで以上にKeyboardなどがフューチャーされている曲なども増え、全体的にバラエティに富んだ作品となっているであろう。ただ基本的には前作までの流れと全く変わっていないため、それまでの作品が好きな人にも問題なく聞ける作品である。前半に収録されている曲は疾走感に溢れた曲などもあり、単なるPop Punkであると決め付け、聞かずじまいしていると後悔するだろう。後半にはバラード的な曲も収録されている。聞いていると青春時代を思い出させてくれ、すごく甘酸っぱい気持ちにさせてくれる。多分それはメロディと声質のせいであろう。決して派手さはないけれども、すんなりと心に入ってくるメロディの数々をこんな優しく時折男の弱さを垣間見せるような声で歌われたら…日本では知名度は今ひとつではあるが、本国アメリカではかなりの人気ぶり。それもこの作品を聞けば納得できるほどの名盤である。全14曲。
☆☆☆☆★ The One I'm Waiting For / Be My Escape / I So Hate Consequences
The Only Thing Worse Than Beating A Dead Horse Is Betting On One / Let It All Out / Who I Am Hates Who I've Been
Pop Punk Yellowcard "One For The Kids"
Apathetic EP (2005)
2005年最後に彼らから届けられたEP。4th Albumから”Be My Escape”などのAcousticと共に新曲も収録されているが、この新曲がまた素晴らしい。特に1曲目の”Truth”は彼らの代表曲のひとつであろう。彼らの持つ素晴らしくいつまでも青臭さの残るメロディが疾走感と共にあり、この1曲のためだけに買っても後悔しないと思われる。それ位素晴らしい作品である。Acousticもアレンジは大幅に変わってる曲は少ないものの、楽曲の持つメロディの素晴らしさは変わっておらずアルバムを持ってる人でも十分楽しめるだろう。ホントに日本での知名度が信じられない位素晴らしい作品、バンドである。全7曲。
☆☆☆☆ The Truth / Apothetic Way To Be / Be My Escape
Which To Bury, Us Or The Hatcher / Over Thinkning / The Thief
Pop Punk Yellow Bride "Whisper In My Ear"
Forget And Now Slow Down (2009)
前作ではそれまでのサウンドと一線を画したある種新たな世界観を示していたが、今作では前々作までの作品へと戻ったかのようなオーガニックな作品に仕上がっている6th。作品全体を俯瞰すると少し大人になったような印象を受けるが、繰り返し聴いていくと何も変化していないことに気付くだろう。キーボードを多用した煌めいたサウンドにはなっているが、元々の青さが溢れたメロディは今までどおりの甘酸っぱさを持っており、年齢を重ねたうえでのバンドとしての自然の変化のように思える。そしてそのメロディを補完するように派手さはないながらも大々的に取り入れられているコーラスはメロディと相まって美しさすら感じさせる。また、今作では3曲目と4曲目のように短い曲を所々に挟み込むことによってアルバム全体としても緩急をつけていることも特徴であろう。穏やかな曲はキーボードを多用してきらめきを出しつつもIndie Rockの様な響きを持たせ、1曲目や5曲目などは従来通りのパンキッシュな面も出したりなど様々な表情を見せてくれる。個人的には前作を完全に消化した、ちょっと落ち着いたIndie Rockよりのポップな楽曲の完成度が非常に高いと感じる。全15曲。
☆☆☆☆ Forget And Now Slow Down / I Don't Need A Soul
Candlelight / Part Of It / Therapy / Over It / Sahara
If You Believe Me / This Is The End
Indie Rock Saves The Day "Saves The Day"